
薬剤師の年収って、実際どれくらいなんだろう。
病院と薬局、大きい会社と小さい会社で違うのかも気になる。

国の統計で見ると、平均の目安と、職場の規模による違いがわかります。
この記事では、厚生労働省の最新の統計だけを使って整理します。
🎯 この記事の結論
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、薬剤師の平均から計算した年収の目安は約567万円です。
平均年齢は40.1歳、平均勤続年数は8.6年です。
男性は約606万円、女性は約539万円でした。
職場の規模別では、10〜99人の小さな職場が約587万円で最も高くなっています。
📋 この記事でわかること
- 薬剤師の年収の目安(男女別・職場の規模別)
- 看護師・理学療法士など、ほかの医療・福祉の仕事との比較
- 国の統計を読むときの注意点
- 薬剤師国家試験の合格率と、年収を上げるための考え方

このサイトは、誰が書いているの?

行政書士・介護福祉士・社会福祉士の資格を持つサイト運営者です。
薬剤師の資格は持っていないので、体験談ではなく、国の統計の数字を正確に読み解くことに徹します。
💰 薬剤師の年収|国の統計でわかる平均は約567万円
薬剤師の年収を調べるときに、いちばん信頼できるのは国の統計です。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」は、全国の事業所の給与を毎年調べている統計です。
この統計では、薬剤師は単独の職種として集計されています。
そのため、ほかの職種と混ざっていない、薬剤師だけの数字を見ることができます。

| 項目 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 40.1歳 | 40.8歳 | 39.7歳 |
| 平均勤続年数 | 8.6年 | 9.8年 | 7.8年 |
| 月の労働時間(所定内+残業) | 157時間+10時間 | 160時間+10時間 | 156時間+10時間 |
| きまって支給する現金給与額(月) | 39万8,700円 | 42万5,400円 | 37万9,900円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 88万3,500円 | 95万2,300円 | 83万5,000円 |
| 年収の目安 | 約567万円 | 約606万円 | 約539万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(企業規模10人以上・2026年3月公表)。年収の目安は当サイトが「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で計算した値です。
月の給与は約40万円で、年間の賞与は約88万円です。
これを合わせると、年収の目安は約567万円になります。
男性と女性の差は約67万円で、平均勤続年数にも2年ほどの差があります。

残業はどのくらいなの?

この統計では、月の残業(超過実労働時間)は平均10時間です。
所定内の労働時間は157時間でした。
年収の目安はこう計算しています
| 統計の項目 | 意味 | 薬剤師(男女計) |
|---|---|---|
| 所定内給与額 | 残業代などを除いた、毎月の基本の給与 | 36万9,700円 |
| きまって支給する現金給与額 | 所定内給与額に、残業代や手当を加えた毎月の給与 | 39万8,700円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 1年間に支給された賞与など | 88万3,500円 |
39万8,700円×12か月で478万4,400円、これに賞与88万3,500円を足すと、566万7,900円です。
所定内給与額と比べると、残業代や手当で毎月約3万円が上乗せされていることがわかります。
📝 補足
税金や社会保険料を引く前の「額面」の金額で、手取りはこれより少なくなります。
1年を通じて同じ給与が続いたと仮定した目安です。
🏢 職場の規模で見る|小さな職場ほど年収が高い
薬剤師の年収で特徴的なのは、職場の規模による違いです。
ほかの多くの職種とは逆に、小さな職場の方が年収が高くなっています。
| 企業規模 | 平均年齢 | 月の現金給与額 | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 36.2歳 | 39万2,400円 | 94万200円 | 約565万円 |
| 100〜999人 | 44.3歳 | 39万3,200円 | 90万8,700円 | 約563万円 |
| 10〜99人 | 47.0歳 | 44万3,000円 | 55万1,500円 | 約587万円 |
10〜99人の職場は、賞与は少ないものの、毎月の給与が約44万円と高くなっています。
その結果、年収の目安も約587万円で、3つの区分の中で最も高くなりました。
ただし、10〜99人の職場は平均年齢が47.0歳と高く、年齢の違いも影響していると考えられます。
💡 ポイント
大きな会社は賞与が多く、小さな職場は月給が高い傾向が数字から読み取れます。
転職先を比べるときは、月給と賞与の両方を確認しましょう。
📊 年齢別に見る薬剤師の年収
同じ統計では、年齢ごとの給与と賞与も公表されています。
20〜24歳の薬剤師の年収の目安は約408万円です。
集計された人数が1,000人以上の年齢層で最も高いのは45〜49歳で、約676万円でした。
同じ年齢層の中でも、職場や経験年数によって給与には幅がある点に注意しましょう。
| 年齢 | 薬剤師の年収の目安 | 集計された人数 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約408万円 | 約2,810人 |
| 25〜29歳 | 約495万円 | 約23,020人 |
| 30〜34歳 | 約533万円 | 約17,240人 |
| 35〜39歳 | 約598万円 | 約9,100人 |
| 40〜44歳 | 約595万円 | 約11,600人 |
| 45〜49歳 | 約676万円 | 約9,990人 |
| 50〜54歳 | 約643万円 | 約8,370人 |
| 55〜59歳 | 約658万円 | 約6,020人 |
| 60〜64歳 | 約550万円 | 約2,970人 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)・年齢階級別(男女計・企業規模10人以上)。年収の目安は当サイトが「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で計算した値です。65歳以上は集計人数が少ないため省いています。
🏥 ほかの医療・福祉の仕事と年収をくらべる
同じ統計の、同じ条件(男女計・企業規模10人以上)で比べてみます。

| 職種 | 平均年齢 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 薬剤師 | 40.1歳 | 約567万円 |
| 看護師 | 42.1歳 | 約525万円 |
| 臨床検査技師 | 40.2歳 | 約482万円 |
| 理学療法士など | 36.2歳 | 約444万円 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 53.1歳 | 約441万円 |
| 保育士 | 40.3歳 | 約428万円 |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 45.3歳 | 約388万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。年収の目安は当サイト計算。
薬剤師の年収は、表の医療・福祉の仕事の中で最も高くなっています。
看護師より約42万円高く、理学療法士などより約123万円高い計算です。
6年制の大学で学ぶ必要がある専門職であることが、給与にも表れていると考えられます。
月給・賞与・残業でくらべる
| 職種 | 月の現金給与額 | 年間賞与 | 月の残業時間 |
|---|---|---|---|
| 薬剤師 | 39万8,700円 | 88万3,500円 | 10時間 |
| 看護師 | 36万5,900円 | 85万6,400円 | 6時間 |
| 臨床検査技師 | 33万400円 | 85万5,100円 | 8時間 |
| 理学療法士など | 30万9,900円 | 71万7,200円 | 5時間 |
賞与は、薬剤師・看護師・臨床検査技師がいずれも85万〜88万円台で、大きな差はありません。
年収の差の多くは、毎月の給与の差から生まれていることがわかります。
一方で、薬剤師は月の残業時間が10時間と、表の中では最も長くなっています。
看護師の年収については、看護師の年収の記事で詳しく解説しています。
歯科衛生士の年収は歯科衛生士の年収の記事で、職場の規模による賞与の差を解説しています。
理学療法士の年収は、理学療法士の年収の記事で解説しています。
診療放射線技師の年収は診療放射線技師の年収の記事で解説しています。
臨床検査技師の年収は臨床検査技師の年収の記事で、男女や職場の規模による違いを解説しています。
助産師・保健師の年収は助産師・保健師の年収の記事で、働く場所とあわせて解説しています。
⚠️ 国の統計を読むときの注意点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| ① 雇われている人だけ | 薬局を経営している人などは含まれない |
| ② 企業規模10人以上 | 職員が9人以下の小さな薬局などで働く人は、この表には含まれない |
| ③ 働く場所の区別がない | 病院・調剤薬局・ドラッグストア・製薬会社などの違いは、この表ではわからない |
| ④ 平均値 | 一部の高い人・低い人に引っぱられることがある |
転職サイトなどで見かける「薬剤師の平均年収」は、求人の提示額や独自の調査をもとにしていることがあります。
数字を見るときは、どの調査の、どんな人の数字なのかを確かめることが大切です。
✅ 年収の数字を見るときのチェックリスト
- 国の統計か、企業の独自調査か
- 雇われている人だけか、経営者を含むか
- 働く場所(病院・薬局・企業)の区別があるか
- 平均値か中央値か
- いつの時点の数字か
📝 薬剤師国家試験の合格率
薬剤師になるには、6年制の薬学部を卒業し、国家試験に合格する必要があります。
令和8年2月に行われた第111回の結果は次のとおりです。
| 区分 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 14,261人 | 12,774人 | 8,749人 | 68.49% |
| うち新卒者 | 8,856人 | 7,781人 | 6,711人 | 86.25% |
出典:厚生労働省「第111回薬剤師国家試験の合格発表を行いました」(令和8年3月25日)
全体の合格率は約7割で、新卒者に限ると8割を超えています。
毎年8,000人以上が新たに薬剤師の国家試験に合格していることになります。
📈 薬剤師が年収を上げるための考え方
| 手がかり | 統計から読み取れること |
|---|---|
| 職場の規模 | 10〜99人の職場は月給が高く、年収の目安も約587万円と高め |
| 賞与 | 1,000人以上の職場は賞与が約94万円と多い |
| 勤続年数 | 男性は勤続9.8年・女性は7.8年で、年収の差にも表れている |
- 今の職場で経験を積み、管理薬剤師などの役割を担う
- 月給の高い職場と、賞与の多い職場を比べて選ぶ
- 病院・調剤薬局・ドラッグストアなど、働く場所を変えて条件を比べる
- 転職サービスで、自分の経験に合う求人の条件を比べる
大切なのは、ひとつの職場の条件だけで判断せず、複数の求人を比べてみることです。
💡 転職先を比べるときの確認ポイント
- 月給と賞与の実績(何か月分か)の両方
- 残業の時間と、残業代の支払い方
- 薬局の場合は、1日の処方せん枚数や薬剤師の人数
- 休日の取り方(週休・土日祝の扱い)
働く場所ごとの特徴
薬剤師が働く場所は、病院だけではありません。
働く場所によって、仕事の内容や働き方が変わります。
| 働く場所 | 仕事の特徴 |
|---|---|
| 病院 | 入院患者の薬の管理や調剤、医師・看護師との連携が中心 |
| 調剤薬局 | 処方せんにもとづく調剤と、患者への服薬指導が中心 |
| ドラッグストア | 調剤に加えて、一般用医薬品の販売や相談対応も行う |
| 製薬会社などの企業 | 研究・開発・品質管理・情報提供など、調剤以外の仕事 |
国の統計には、働く場所ごとの年収は載っていません。
気になる場合は、求人ごとに給与と賞与の条件を比べるのが確実です。
派遣・パートという働き方もある
薬剤師は、正社員だけでなく、派遣やパートで働く人もいる職種です。
子育てや介護と両立したい人は、派遣やパートの求人も選択肢になります。
時給や働ける日数は求人ごとに違うので、条件を比べて選びましょう。
🤝 転職サービスを使うという選択肢
薬剤師の求人を探す方法には、ハローワークや求人サイトのほか、薬剤師専門の転職サービスがあります。
専門の転職サービスでは、担当者が希望の条件を聞いたうえで、求人を紹介してくれます。
利用は無料のサービスが多いので、今すぐ転職しない人も、相場を知るために相談してみる方法があります。
✅ 転職サービスの選び方
- 薬剤師を専門に扱っているか
- 正社員・派遣・パートなど、希望の働き方の求人があるか
- 担当者に、賞与の実績や残業の実態を質問できるか
- 無理に応募をすすめられないか
❓ 薬剤師の年収についてよくある質問
Q. 薬剤師の平均年収はいくらですか?
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、薬剤師の平均から計算した年収の目安は約567万円です。
平均年齢は40.1歳です。
Q. 薬剤師の年収は男女で違いますか?
同じ統計では、男性が約606万円、女性が約539万円でした。
平均勤続年数も男性9.8年、女性7.8年と差があります。
Q. 大きな会社の方が年収は高いですか?
薬剤師の場合は逆で、10〜99人の職場が約587万円と最も高く、1,000人以上は約565万円でした。
小さな職場は月給が高く、大きな会社は賞与が多い傾向です。
Q. 看護師と比べて年収は高いですか?
同じ統計で看護師は約525万円、薬剤師は約567万円で、薬剤師の方が約42万円高い計算です。
Q. 薬剤師国家試験の合格率は?
第111回(令和8年2月実施)の合格率は68.49%、新卒者は86.25%でした。
Q. 約567万円は手取りの金額ですか?
手取りではありません。
税金や社会保険料を引く前の額面の金額です。
Q. 病院と調剤薬局では、どちらが年収が高いですか?
国の統計では働く場所の区別がないため、病院と薬局の平均年収の違いはわかりません。
求人ごとに月給と賞与の条件を比べるのが確実です。
Q. 薬剤師は毎年何人くらい増えていますか?
第111回の国家試験では8,749人が合格しました。
毎年8,000人以上が新たに国家試験に合格しています。
📝 まとめ|月給と賞与の両方で比べる
この記事のまとめ
- 薬剤師の年収の目安は約567万円(令和7年・平均40.1歳)
- 男性は約606万円、女性は約539万円
- 職場の規模では10〜99人が約587万円と最も高い
- 医療・福祉の仕事の中で最も高い水準
- 国家試験の合格率は68.49%(第111回)
薬剤師の年収は、職場の規模や勤続年数で変わります。
より良い条件を目指すなら、まずは複数の求人を比べて、自分の市場価値を知ることから始めましょう。


